サライインタビュー堀井令以知(ほりい れいいち) 言語学者

2007年7号

「ことばの由来」岩波新書、「京都語を学ぶ人のために」世界思想社

京都語
例)「早くしなさい」
友達や目下「はよ、しぃ」
督促「はよ、しんかいな」
丁寧「はよ、おしやす」
さらに丁寧「はよ、しやはらしまへんか」
もっと丁寧「はよ、しやはったらよろしおすのに」

「柔道とは、己を完成すること。だから、傷害、柔道衣は着続けることでしょうね」

日本は技の基本をしっかり身につけて、切れ味鋭く一本を決めに行く柔道です。


柔道そのものの発祥にも関係しますが、”一本”の持つ意味を考えてもらえばわかります。

投げ技〜「相手を仰向けにして相当の勢いと弾みで倒す」一本の条件

背負い投げ〜体重の10倍〜15倍の衝撃。
ひとつの投げ技はそうした武術的な特性。
たとえ競技の試合でも、鋭い技で相手を畳にたたきつける、それが一本の持つ意味。
競技が柔道の全てではない。状況に即応できるようにするのが、本来の柔道。

柔道の技の本質

投げ技、固め技(抑え込み)、絞め技、関節技で構成。
武士が戦場で組討で相手を抑え込んで首を掻き切る、そこから出発。


柔道とは心身の力を最も有効に使用する道である。その修行は攻撃防御の練習によって身体精神を鍛錬修養し己を完成することにある。まず精神力、技術力、体力のバランスが取れるようになること。競技はその一手段。大きな教育的な思想の一部分です。

・・・こんな空手家になりたい。

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サライ 2005 7/21号
サライ・インタビュー 黒田久子 篤志(とくし)面接委員102歳
「どんな職業でもいいから、自分に合った仕事を見つけなさい。
落ち着ける場所で、良い家庭を作って暮らしなさい。
それが一番の幸せなんやで」

  • 年を重ねること

「自然な流れです。芽が出て蕾(つぼみ)になって、花が咲きかれていくように、人の命も同じですわ。夜に寝たら朝が来る。そうして何となくこんなに年をとってしもうたんでしてね(笑)。
特別に嬉しいことがなくても、何も報われることがなくても、一日一日を自分なりに精一杯生きて、明日を迎える。人間の一生は、その繰り返しなんですよ。」
夫は哲学者・黒田英一郎。しかし、彼女は十分哲学者だ。

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2005年16号 西田武生 ファション・デザイナー83歳
「人生の岐路に立った時、必ず思い返すことがあるんです。それは、深刻がらないこと、流れに抵抗しないこと、決心したら実行すること。」
「”艶(つや)やかな才女(とし)”という提案。50代の女性を意味し、年齢を重ねてきたからこそ、本当の美しさが生まれる。50代になってこそ着られる、大人の優美さというものがある。本質的なことをいえば、時間をかけて培ってきた教養が表れてくるのがその年代。洋服が優雅なのではなく、その人が素敵なのです。そんな人のためのデザインをしたい。」

・・・産科検診時に、「一人目うんでから、白髪がふえて、体系も変わって・・・。」と
話していたら、婦長(師長)が「お母さんになってきれいになったわよ。」と言った。
20代の美しさ、30代の美しさ、お母さんの美しさって、それぞれあると思う。

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サライ・インタビュー 2006年4号
東松照明(とうまつしょうめい)写真家 76歳

「写真家というのは、医者のごとく治療するでなく、学者のごとく分析もせず、神父のごとく支えるでなく、落語者のごとく笑わせるもせず、ただ見つめるだけです。見ることがすべてです。だから、徹頭徹尾、見据えなければならない。対象を真正面から見据え、全身を目にして向き合うのです。私は撮るという意識があまりない。瞬きするように写真を撮る。身体感覚です」

「まんだらとは、密教の世界観をあらわす。私自身の世界観、まるごとというような意味」
・・・さすが、76歳の写真家だ。

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